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「子どもと大人の交差点で語る、学校外での居場所づくり」〜SCH西日本シンポジウムにて〜

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10/19(土)。
小雨がちらつく大崎上島を舞台に、第7回SCHシンポジウム西日本が開催されました。

高校×地域の協働のあり方、つまり”Super Community High school”のあり方を考える教育シンポジウムは、今回で7回目。ミカタカフェができる前から続いている、同窓会のようなイベントです。


今回の学びのテーマは
「高校魅力化のその先へ!〜まち全体で学びをつくる〜」

高校を核とした地域づくりは、大崎上島で次なるフェーズを迎えています。

高校生たちがミツバチのように地域を飛び回り、
人と人とを繋ぎ、学校の外にさまざまな拠点ができていくという新たな展開を生み出しています。



3年前、ひとりの高校生の絶望から生まれたミカタカフェも、
高校魅力化から生まれた学校外の拠点の一つ。

ひとりのために作った場所が、
結局はいろいろな人のための場所になっていくプロセスを、まさに今辿っているところです。


SCHプログラムの一部、まち歩きトークセッションがミカタカフェで行われ、
石川県珠洲市で子供の居場所づくりを行うNPO法人ガクソーの北澤さんをゲストにお話を伺いました。



対談相手は、ミカタカフェ代表の勝瀬。
2023年9月に勝瀬が珠洲市のガクソーを訪れたことをきっかけに、二人は出会いました。

2024年1月の能登半島地震の被害を受け、ガクソーは半壊。その後取り壊されています。

子どもと大人が一緒に時間を過ごす場所があるということに、どんな意味があるのか。
そんな場所が町からなくなってしまうということに、どんな意味があるのか。

テーマは「子どもと大人の交差点で語る、学校外での居場所づくり」。
雑談のような形で進んだ打ち合わせの無しのトークセッション。
一部だけ、覚えている範囲のメモを記録しました。




◆アポを取らずに高校生がオトナと会える場所?

勝瀬
高校で総合的な探究の授業が始まって以来、高校生が大人にアポを取って会いに行く機会が増えたと思う。逆に、アポを取らずに大人と会えるということが、学校外にガクソーやミカタカフェみたいな場所があることの意味だと思う。

「〇〇プロジェクトをやっているワタシです、応援してほしいんです」ではなく、ワタシという人間を知ってもらった上で、やろうと思っている〇〇プロジェクトも応援してもらえる。そんな関係性の始め方が自然じゃないですか。授業となると、なかなかそうはいかない。
その子のことをよく知らないのに、色々頼まれるオトナの息苦しさは少しずつ溜まっていくと思う。

参加者
普段自分がコーディネーターという仕事でやっていることを、全く逆のプロセスでやっていますね。繋がり方、その順番については考えたことがなかった。

北澤さん
そもそも地球が誕生してからの長い時間軸で大きく世界を捉えたら、その瞬間にオトナだとか、高校生だとか、赤ちゃんだとか、あまり関係ない。一緒の時間に一緒の地域で住んでいるんだから、年齢にこだわりすぎず関わり合えばいいじゃんと思う。

勝瀬
それはそうですね。オトナがやりたいことも高校生に応援してもらって、高校生がやりたいことも応援してあげよう、と。その関係性をつくるにはオトナもやりたいことを持っている、ということが大切かも。
◆お年寄りのための腰掛けをつくるか、つくらないか

参加者A
ここはお年寄りも来るんですか?古民家ならではですが、こういう畳のスペースは膝が悪いお年寄りにはすごく辛い。

勝瀬
お年寄りはあまり来られないですね。学生の居場所だし、入りにくいとおっしゃる方も多い。

参加者A
お年寄り用の腰掛けを作ってあげたらいいですよ。設計図をお渡ししますので。

勝瀬
誤解を恐れずに言うと、お年寄り全員に来てほしいと思っていないんです。さっきの話と一緒で、「〇〇さんにこの場所に来てほしいから、でもその方はお年寄りでこの場所は来づらいから、じゃあ椅子をつくろうか」となる。それに気づいて動くのは高校生かもしれないし小学生かもしれない。全てをこちらで準備してしまうと、そういうもののきっかけがなくなってしまう。

北澤さん
ユニバーサルデザインって、みんなのためのものを目指して、誰のためのものにもならないってことがありますからね。

参加者B
ヒトって不十分な場所に集まりがちっていう話も聞いたことがあります。ちょっと汚れているとか、ちょっと狭いとか。安心するというか落ち着くんですかね。

勝瀬
ミカタカフェはもうちょっと掃除したほうがいいですかね。

参加者C
ピカピカの場所じゃなくていいですよね。こういう古民家を改装して、とか昔の雰囲気が残っていることも大事なことのような気がします。



◆なぜガクソーに行ったか?

勝瀬
1年前の9月にふと思い立って、珠洲に行き、アポなしでガクソーに立ち寄った。

参加者
なんでガクソーに行ったんですか?

勝瀬
ミカタカフェを始めて2年くらい場を開き続ける中で、いろいろな人がいろいろなことを言ってくるようになった。もっとこういう場所にしたほうがいい、もっとこんなイベントをしてほしい、とか。それがうるさく感じるようになって、やりたいなら自分でやってくれよ、と苦しさが積もる時期だった。

子どもの居場所を謳いながら、そこを運営する大人が楽しくやりたい放題やってる場所を探したら、ガクソーに行き着いた。

北澤さん
ガクソーは子どもの居場所として始めたのではなくて、もともと仲間で集まる場所だった。そこに子どもがくるようになった。

勝瀬
珠洲に行ったとき、北澤さん含めガクソーメンバーが拠点前でタバコをスパスパ吸っていた光景は衝撃でしたね(笑)

北澤さん
タバコの匂いが好きなんで、とやってくる高校生も現れたよ(笑)。ガクソーが地震で半壊してなくなってからは、風呂の中(あみだ湯)で高校生たちに数学を教えてる。案外、場所はどこでもいい。

勝瀬
子どもの居場所だから全てを子どものために、というのはやっぱり息苦しい。大人も好きなことをやれる場所で、おもしろがれて、だからこそその場所は続いていくと思う

北澤
大人同士だってそうじゃん。気が合うから一緒にいるわけで。

参加者
私も昔、学校帰りに寄っていた場所に少し年上のお兄さんお姉さん達がいて。そこでちょっと悪いことも教えてもらったりして。でもあの場所が好きだった。今は私も自分の地域にそういう場所を作りたいと思っている。


◆貧乏と孤独を愛せるか

勝瀬
一方で、続けていくにはお金もいる。おもしろいことを、おもしろがっているだけじゃ難しい部分も出てくる。そう言う意味で、(午後のセッションで言っていた)お金はもらっていないけど高校で授業をやっているとか、高校生の発表に対しての講評をボランティアでやっているとか、それが普通にできるのはすごいと思う。なんでそれができるんですか。

北澤さん
うちのメンバーは基本的にデザイン系のメンバーが集まっていて、一人で作品を生み出して、別にそれが金にならないということに慣れているんだよね。貧乏と孤独を愛せるか?、ということかもしれない。

勝瀬
そういう人たち同士が仲間になってみんなで集まっている、ということも大きいのかもしれないですね。

北澤さん
そうだね、それはでかいね。みんなそういう感じだからなぁ。

参加者
でも、孤独を愛しているんですよね?なのにみんなで集まっている?

勝瀬
おお、たしかにどういうことでしょう。一緒にいなくてもいいけど、一緒にいたい、みたいな?

参加者B
孤独を愛しているが、孤立はしていない、ということなんですかね?

北澤
そうかも。みんな麻雀できるということも大事。(以下、麻雀のたとえ話で会場はおおいに盛り上がるが、麻雀に詳しくないので記憶に残らず)

◆縁も大事
勝瀬
私と北澤さん、実は同い年なんですよね。

参加者
驚いていいんですかね?

北澤さん
しかも同じ大学でね。

参加者
大学生の頃から知り合いだったんですか?

北澤さん
いや、全然。ガクソーに来てもらった時にそういう話をして、気づいた。あの時、一緒に餃子食べた店があるでしょ?あそこももうすぐ復活して、またオープンするよ。

勝瀬
あのうどん屋ですか?

北澤さん
そば屋ね。

勝瀬
それはよかった。ダメかもしれないと心配していたので。

参加者
でも、お二人の縁みたいなのはおもしろいですよね。実はみんな同じようなところをグルグルしていて、何がきっかけでまた一緒になるかわからない。
勝瀬
交差点をつくる、というのはそういうことかも。場所があるから、話が始まる。それが子どもの居場所でも、うどん屋でも、そば屋でもいい。




まち全体で学びをつくる。

そのいちばんの方法は、
私たち大人が、学び続けることかもしれません。
私たち大人が、まずは出会いを楽しみ続けることかもしれません。

出会って、知り合って、一緒に何かをやる。


こうして、同窓会のメンバーが増え続けていくといいなと思いました。

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