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交差点をつくる。

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”瀬戸内に浮かぶ教育の島で『おためしぐらし』”
大学生に向けたそんな題名の記事を今から半年前の12月に書き殴り、
SMOUTという移住スカウトサイトに投稿しました。

https://smout.jp/plans/15055



大学生に移住をしてもらいたい、という想いは毛頭なく、

なんとなくモヤモヤしていたり、
なんとなくソワソワしていたり、
なんとなくグラグラしていたり、

日本のどこかでそれぞれの日常を過ごす”ただの”大学生に向けて、
手紙を書くような気持ちでパソコンに向かっていたことを覚えています。


「週末だけ開くカフェでの出会いも大事にしてもらいながら、
居合わせた人たちと色々なことを話し、聞いた場所に行ってみる、聞いたことをやってみる。

ひょんな出会いと行動で何かが始まっていく島での暮らしを、
リラックスして楽しんでもらえる方が向いているのではと思っています」

そんな文章を添えた記事は十数人の大学生に届き、
そのうち7人が実際に大崎上島でおためしぐらしをしてくれました。




フランスからやってきたアーティストに絵を書いてもらったり、

海の真横の小学校でサッカーをしたり、

漁師さんに連れられて夜明けから海へ出たり、

高校生に想いをぶつけてみたり、

小学生と一緒にマイクラをやったり、

山に登ったり、ラジオを撮ったり、こたつで話したり、砂浜で泣いたり。











何かが起きた日も、何も起きなかった日も、
そのどちらも過ごしてくれたなら、
それがきっと島で暮らすということなんだろうと思います。


ミカタカフェが担っている役割は”交差点をつくる”こと。
無理やり何かを起こそうとせず、でも何かが起こるはずだという希望を忘れることなく、
ただ人が寄る場所を作りたいと思っています。

何も起こっていないように見えても、何かは残っていくんだと思っています。

「あなたの思考や言葉や経験が、きっと誰かの学びになっていきます。 
そうやって、島の外からやってきた誰かが生み出す新しい波によって、 
教育の島での営みは続いていくと思うのです」

おためしぐらし卒業生の皆さん、
ミカタカフェに寄ってくれてありがとう。

またいつか、それぞれの暮らしの延長線上で交わり、そして別れましょう。





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おためしぐらし第1号のマユちゃんが、
あの日々を振り返り、文章にしてくれました。

手紙の返事が来たようで嬉しく、
皆さんにもぜひ読んでいただければと思います。


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「瀬戸内に浮かぶ教育の島で『おためしぐらし』してみませんか?」

この一言を見た私はワクワクが止まらなかった。

「教育の島ってなんだろう?」

「ひとりで知らない土地に行って暮らしてみるのって面白そう!」

そんな思いを抱き、私はこの島で1週間『おためしぐらし』をしてみることに決めた。



島での暮らしの中で、私はやりたいことが2つあった。


1つ目は、その土地に住む島の人とたくさんお話することである。島で生まれ育った人、島に移住した人、なにかやってみようと島に集まる人々。様々な人に出会って、それぞれの思いを知りたかった。そして、島の人との会話の中で、自分のことを見つめなおしたいと思った。


2つ目は、島の高校生と実際に会って話し、彼らの活動や考えを知りたいというもの。事前に大崎上島について調べていると、島では教育にとても力を入れており、高校生の活動がとても活発に行われていることを知った。大学で教育を学び、「地域と教育」というテーマに興味がある私にとって、大崎上島で行われている教育活動はとても魅力的だった。


出会う人、見る景色がすべて初めての島生活は、とても刺激的だった。


普段の生活では、すでに自分のことを知っている人と関わることが主である。改めて自分のことを紹介したり、自分の興味のあるものについてわざわざ言ったりする必要もない。しかし、島では会う人全員が初めましてのため、会話は自己紹介からスタートする。



一番島で投げかけられた質問。「どうして島へ来たの?」

どういう思いでここへ来たか。どういうことに興味があるのか。いざ質問に答えようと思ったら、意外と頭の中で思っていることを言葉にするのはむずかしい。はじめの方は、話が行ったり来たりして、ごちゃごちゃした話しかできなかった。が、どんどん人と話し、言葉にしていくうちに、少しは自分のことをうまく紹介できるようになったのではないかなと思う。



島で過ごしていたある日に島の高校生から貰った言葉が、私の心に今でも残っている。


「この島は、島の人との偶然の出会いがおもしろいんです!島の人とぜひたくさん話してください!」

私は、ほんとにそうだな、とこの1週間で感じた。


偶然入った、ラーメンが美味しい食堂。
お店の方に話しかけると、このお店の歴史や思い出をたくさん教えてもらった。


週に数日しか開いていないカフェ。偶然にもお店がやっている日が、私の島生活最後の日だったため、訪れることに決めた。そこでは、店主の方の昔の話や、このカフェに来る各地からのお客さんの話をたくさん聞かせてもらうことができた。


全員私より年上の方とご飯を食べているときに偶然始まった、人生の先輩への人生相談も素敵な思い出である。


大崎上島のことを知ったのも偶然だった私にとって、このような「偶然の出会い・会話」って本当に面白くて、楽しくて、最高だなと感じた。島には、そんな偶然がたくさん溢れていた。


島での高校生との出会いも、私にとって大切な機会であった。


人口7000人の大崎上島には、なんと1000人もの学生がいるのだが、私はその中でも大崎海星高校の高校生と多く関わらせてもらった。一番驚いたこと。それは、高校生一人一人の探究力である。自分に興味があること、なぜ?と不思議に思ったこと、知りたい!と思ったこと。そのことについて、とことん学びを深めていこうとする姿勢がとても印象的であった。そしてなにより、皆学ぶことを楽しんでいた。ひとつの課題に対して、自分の意見をしっかり持ち、時には色々な人と対話し、学びの幅を広げていく。そのような高校生を見ていると、自分ももっと頑張れるな、と元気をもらえる。


また私は、高校生はもちろん、その高校生の周りにいる大人も魅力的だと感じた。高校生が、なにか頑張りたい、企画したい、と思った時に全力で、一緒になって考えてくれる大人がいる。それは教員だけでない。塾のスタッフや、まなびのみなとのスタッフ、島に住む多くの大人。なにかひとつの目標に向かって高校生と一緒に活動したり、高校生のプロジェクトの伴走をしたりする大人たちを見ていると、とても生き生きしていて、楽しそうであった。子どもに関わる道はひとつではない。私は、そのような素敵な大人たちと出会えたことで、将来の見方が変わり、幅が広がった気がしている。


大崎上島で過ごした1週間。大袈裟かもしれないが、間違いなくこれまでの人生で一番濃い1週間であった。


魅力的な人・ものでいっぱいのこの島で過ごせた1週間は、私を大きく変えてくれた。


皆さんもぜひ、

「瀬戸内に浮かぶ教育の島で『おためしぐらし』してみませんか?」





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